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研修医必見|「デキる!」と思わせる救急コンサル

CATEGORY:presentation
↻ 2021.07.12/2021.07.10
こんな人におすすめ

この前,救急外来から専門医にコンサルトしたら怒られた(泣)
電話でうまくプレゼンするコツを知りたい

救急コンサルトって,緊張する

救急コンサルトって緊張しますよね.

ただでさえ電話で状況を伝えるのは難しいのに,それを休日・夜間になんて(泣)

電話口から不機嫌そうな専門医の声が聞こえると動揺しっぱなし.

救急コンサルトの「型」

しかしコンサルトもプレゼンテーション,ちゃんと型があります

準備して練習すれば,だれもが上手くなります

さらに最近,コンサルトを学ぶのにぴったりの本が出版されました.

著者は「心電図ハンター」「骨折ハンター」で有名な増井伸高先生.

今回その増井先生が,救急コンサルトのHow to 本を出されました.

わたしも読みましたが,納得できる内容ばかり.

今回は本の内容を抜粋しながら,経験に基づいた自分なりの知見をプラスして,「デキる」コンサルトの方法をお伝えします.

救急コンサルトの前提 

まずはじめに,救急コンサルトと通常のコンサルト文との違いを把握しておきましょう.

それは,緊急性が高く,休日・夜間の場合が多いということ.

 

専門医は日中の業務に忙殺されています.

でも,仕事なんだから仕方ないじゃん

というのは簡単ですが,疲弊したなか電話がきたら,第一声が少し不機嫌になってしまうこともあるでしょう.

最大限,相手に配慮したプレゼン(言葉遣い,内容)を心がける必要があります.

 

救急コンサルトにおける「必勝の型」

Step1:「診断名+重症度+目的(依頼内容)」を50文字5秒以内に伝える

本の中で増井先生は,「開口一番で刺さるコトバを言えるかが勝負!」とおっしゃってます.

さらに,相手に”刺さる”ための定型文も紹介しています.

それが『診断名+重症度+目的』を50文字以内・5秒以内に伝えるです.

診断名:診断がつかない場合は症候名でもOK.
重症度:具体的なキーワード(バイタルサインなど)を用いる
    診断名そのものに重症度が加味されるものは,固有名詞のみでもOK.
目 的:依頼内容のこと.「診断」「治療」「入院」のいずれか.
模範例:「救急科◯◯です.80歳女性,room air で92%(重症度)の肺炎患者(診断名)の入院適応(目的)を相談させてください」

たしかにこうすると,すばやく概要・要件を伝えて,聞き手に理解してもらうことができます.

気づいた方もいると思いますが,これって結局,メンタルモデルをつくるということ.

メンタルモデルとは,聞き手なりの話の理解のこと
詳しくは,別記事で解説しているので,参考にしてください.

救急コンサルトは,「相手を動かす」という点で,ビジネスプレゼンに近いものがあり,

メンタルモデルをつくることが非常に有用です.

「診断名+重症度+目的/50文字以内・5秒以内」ルールを使って,開口一番の刺さるコトバで相手のスイッチを入れましょう.

 

また,診断名の部分を症候名で伝える際に有効なのが,「SQ」です.

SQが何か分からない人は,下の記事を参考にしてください

 

Step2:依頼の根拠を30秒以内にプレゼン

次に,症例提示に移ります.

本の中では,厳選ワードで,依頼の根拠を30秒以内にプレゼンと説明されてます.

では,依頼の根拠をどうやってプレゼンするのか.

ここで有効なのが,「SBAR」です.

SBAR式プレゼンテーションとは,情報共有のコミュニケーション法の1つ.

S:situation(状況)
B:background(背景)
A:assessment(評価)
R:recommendation(依頼)

わたしは普段,冒頭で要件を述べた後に,SBARを使って詳細を説明しています.

本で紹介されている「型」を取り入れると,以下のようになります.

 

「診断名+重症度+目的」
20歳男性,歩行困難な(重症度)急性進行性麻痺(SQ)で,ギラン・バレー症候群疑い患者(診断名)の入院(目的)を相談させてください.
「SBARを使ったプレゼン」
5日前から進行する四肢の脱力で受診されました(状況)
鶏肉の摂食歴があり,2週間前には下痢症状があったとのことです(背景)
採血や頭部CTであきらかな異常がなく,髄液検査で蛋白細胞解離を認めます.
ギラン・バレー症候群を疑うため(評価),入院適応の判断をお願いします(依頼)

 

ポイントは,情報を厳選すること

ここですべての情報を網羅する必要はありません.端的に概要を説明しましょう

Step3:Q & A

症例提示の後はQ&A.

Step2では,迅速に概要を伝えることを優先したため,すべての情報は網羅できていません.

「筋力低下ってどれくらい?」

「腱反射は?」

などなど.

 

Step3では,Q&A形式で不足を補います.

事前の情報収集を徹底し,コンサルされる側が考える「プレゼンターが集めるべき情報」を集めておくことが重要です.

聞かれた質問に全然答えられないと「丸投げ感」が出ます.

本書の中では,「8割以上は答えるのが目標」と書かれています.

必要な診察・検査はコンサルト前に済ませておきましょう.

実践あるのみ!

どうでしょう.デキるコンサルトの全貌が把握できましたか?

とはいえ知ったからといって,すぐにできるようにはなりません.

日々実践を繰り返して,必勝の「型」を自分のものにしていきましょう.

 

「診断名+重症度+目的(依頼内容)」を50文字5秒以内に伝える
依頼の根拠を30秒以内にプレゼン
Q & A

記事で紹介した「」の内容は,全体のごく一部です.

各論では,他の名だたる救急の先生方も登場しています.

気になった方は,是非,手にとってみてください.