研修医必見|「デキる」と思わせるカルテの書き方

よし!魂心のカルテを書き上げたゾ!
SOAP形式に沿って,アセスメントも充実させたぜ!
先生,カルテチェックお願いします(ドヤ)!

・・・・・・(サーッ)いいんじゃない?

・・・あ,ありがとうございます!(ほんとに読んだ!?)


どうせ書くなら,「デキる」と思われるカルテを書きたい.でも,デキるカルテってなんだ?いいカルテを書くコツを知りたいな.

ライティングに関して読んだ本は20冊以上.「やまてのカルテは読みやすい.参考にしている」といわれることも多いです.
「カルテなんて自分へのメモ書きで十分」と思っている人でもいるかもしれません.
でもそんな人も「この人,デキなさそう」と思われるカルテを書きたくはないはず.
この記事で紹介するコツを実践するだけで,カルテの読んだ人が受けるあなたへの印象が変わります.
とくに研修医の人は,これを読んでデキレジへの一歩を踏み出しましょう.
Contents
”読まれるカルテ”は,”読ませないカルテ”
SOAPは必要,でもそれだけではダメ
はじめに,カルテはSOAP形式で書きましょう.これは大前提です.
また良いカルテには,医学的な妥当性 が必要です.
その上で.
これだけでは ”良いカルテ” にはなりません.読み飛ばされるのがオチ.
なぜなら,読み手の前提を忘れているから.
求めるているのは,”文章”ではなく”情報”.だれも文章を楽しむために読んではいません.情報を得るためにしかたなく読んでいるのです.なるべく手っ取り早く,情報を得たいと思っています.
”読ませないカルテ”を書く
要は,だれも書き手が想定した通りには読んでくれないということ.
それをふまえて,文章を書く際はなるべく”読ませることなく”情報を伝えなければいけません.
読まれるカルテとは,読ませないカルテなのです.
”読ませないカルテ”は,”見やすいカルテ”

文章は,読む前に”見る”もの
“読ませないカルテ”を書くために知っておくべきは,文章はまず”見る”ものだということ.
わたし達は文章を”読む前に見る”.ぱっと見で読みにくそうと思ったら,すぐに読み飛ばします.
カルテが読まれるかどうかは,文の”見やすさ”にかかっています.
”見やすいカルテ”の特徴3つ
“見やすい”カルテには,3つの特徴があります.
特徴2:短文である
特徴3:情報量が適切
特徴1:文字の大きさが適切
文字が小さいと読みにくい.それだけです.
読み手に不要な負荷を与えるのはやめましょう.
特徴2:短文である
長文も,読み気力を削ぎます.
だいたいの場合「である」「だと考えられる」など,無駄な装飾がついています.
特徴3:情報量が適切
身を守る意味でも,”余分に書いておく”必要があるのは事実.ただし書きすぎると,情報の密度が薄くなります.
内容を調節し,読み手が情報の選ぶ手間を省きましょう.
”見やすいカルテ”を書くために

今日からできるトレーニング
読まれるカルテを書くには,”読ませない工夫”が必要だということ.
その1つとして,”見やすいカルテ”を書くことが重要だと話しました.
最後に,わたしがカルテ記載のときに自分に課しているルールを伝えます.
ルール2:1文を1行に収める
ルール1:大きさは”中”
勤務先のカルテは,富士通のEGMAIN-GXです.わたしはこれで大きさ”2”を使っています.
どのカルテシステムであれ,重要なのは読み手に負担のない大きさを選択すること.
ルール2:1文を1行に収める
文を短くするトレーニングです.
言い回しを工夫して適度に区切る.でも必要な情報まで削ってはいけない.
このルール,2つを守ると意外にむずかしい.
でも,日頃からこれを意識する/しないでは,後の文章力に大きな差が生まれます.
最初は面倒ですが,ぜひ実践してみてください.
※注意点:体言止めを乱用するのはNG.しっかりと述語で終わる文章を書きましょう.
以上,「デキる」と思わせるカルテの書き方についてお話しました.
”見やすい文章”をつくる
“大きさ:中,1文1行”を守ろう