全医師必見|プレゼンが上手くなる3つのコツ〜構成編〜


院内レクチャーを担当することになったけど,どんな題材にしようかなー
どうせやるなら,聞いてよかったと思われる発表がしたい
でもどうすれば,あっと言わせるプレゼンがデキるのかわからない
わたしも以前は,同様の悩みを抱えていました.

どうしたら,聞いてもらえるのか
どうしたら,分かりやすい発表だったと思ってもらえるのか
どうしたら,みんなにインパクトを残せるのか
何冊も本を読み,実践をしてきました.
そんなわたしが,書籍を通じて「これは有用!」と感じた3つのコツを紹介します.
上級医を唸らせ,研修医からは絶賛されるプレゼン発表を目指しましょう!
Contents
導入:振り向いてもらう〜ベネフィットを見せる〜
「発表の目的は,相手を動かすことだ」
プレゼンについて少し勉強した人なら,誰もが知っているでしょう.
でも頭では分かっていても,できていない人は意外と多い.
あなたは,”ニーズに沿った”発表ができていますか?
知識がほしいわけではない
聞き手のニーズを考えるうえで,まず認識しておくべきこと.
それは「聞き手は,知識が欲しいと思っていない」ということです.
不明熱の診療方法(知識) → 発熱・高CRP血症をみた時に,困らなくなる(問題の解決)
痙攣重積発作の対処法(知識)→「デキる!」と,周りから一目置かれる(承認欲求)
聞き手が欲しいは,知識を得た先にあるベネフィット(未来).
知識は,ベネフィットを得るための道具でしかありません.
内容自体は
「不明熱の鑑別方法」「痙攣重積発作の対処法」
と変わらないのですが,
導入部分でベネフィットをしっかり提示しているかどうかで,聞き手の姿勢が変わります.
↓
「これを聞くと,周りから一目置かれる”デキレジ”になれます」
これぐらい強調しましょう.
プレゼンを聞く → 知識を得る → ベネフィットを手にする
がイメージできると,聞き手はあなたの発表に耳を傾けてくれます.
聞き手のベネフィットは何かを考え,導入部分で訴えかけましょう.
本論:聞いてもらう〜3つに絞る〜

疾患について勉強すると,「あれもこれも」と情報を詰め込みがち.
おそらくどれもが,理解する上では重要なのでしょう.
しかし多すぎる情報は,覚えられずに結局は忘れます.
また聞き手は「把握しきれない」と感じると,途中で聞くのをリタイアしてしまうかもしれません.
情報の”網羅”ではなく,”代表”的なメッセージを
最後まで聞いてもらい,内容を覚えてもらうためには,
すべてをカバーしようとせずに,自分の伝えたいなかで”代表的なもの”に絞る必要があります.
ここで重要なのが,「大事なことが4つ→4つに絞る」ではなく,
無理にでも「3つ」に絞るべきだということ.
3つは,聞き手に「分かりやすい」と感じてもらう上で,とても有効な数字なのです.
全体:覚えてもらう〜サウンドバイトをつくる〜

キング牧師「I have a dream」
小泉総理「自民党を,ぶっ壊します」
サウンドバイトとは,
「内容を印象づけるために,伝えたいことを短い言葉で簡潔に表現したもの」
政治家の演説などでよく用いられる手法ですが,これはプレゼンをする上でも非常に有用です.
あなたが良いプレゼンをしたとして,翌日・翌々日も内容を覚えている人はどれくらいでしょう.
おそらく,ほとんどの人が忘れてしまうんじゃないでしょうか.
聞いた時は分かった気になって,でもそこで終わり.
教養の賞味期限は短く,多くは明日からの診療に影響しません.
ポイントを3つに絞ったとしてもです.
プレゼンで相手を動かすためには,
メッセージの賞味期限を伸ばすような,聞き手の頭に残るための工夫が必要です.
内容を覚えてもらうための手段として「take home messageを伝える」があります.
もちろんこれも重要,絶対に必要です.でもそれではまだ足りません.
そこで,サウンドバイト.
全体を通して,キーメッセージを繰り返す(=サウンドバイトをつくる)こと
この言葉を浮かべることで,大まかな発表内容が思い起こされる
そんな言葉をつくり,発表中に繰り返し発現することで,
印象的な発表になり,聞き手のなかに内容が刷り込まれるのです.
以上,プレゼンの構成を考える上で重要な3つのコツを伝えました.
この3つを意識するだけでも,プレゼンの質は大きく変わります.
しかし,プレゼンではほかにもスライドデザイン,話し方も大事.
「内容(構成)」「スライド(デザイン)」「話し方」の3要素が揃ってはじめて,人を動かすプレゼンになります.
スライドデザインや話し方については,別記事で解説しているので,是非御覧ください.
3つに絞る
サウンドバイトをつくる